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   ■ 1 スクエア クラフト ファクトリーは、なぜ “スクエア” なの?           


“スクエア=SQUARE” という言葉、気に入っています。
スクエアは「四角」「広場」という意味が知られていますが、
ほかにも、いろんな語意があります。

英和辞典によると。
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 素朴な  かたぶつ  角ばった  がっしりした

 公明正大な  正々堂々の  公平な

 整頓した  きちんとした  中身のある  十分な

 (研究社「新英和中辞典 第6版」より)
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SQUAREの語意は、スクエアクラフトのすべてに含まれる要素。

スクエアな、考えかた
スクエアな、作りかた
スクエアな、接しかた

いつも心がけています。



そして “スクエア” の理由をもうひとつ。
木工の道具に「SQUARE」という名の工具があります。

日本では「スコヤ」といいます。

材料に対して直角の線を引いたり、
組み上げる際の直角度をみたりするための道具で、
われわれ木工職人の必携アイテム。

正確につくる。精度にこだわる。
スクエアクラフトのモノづくりの基本なのです。





スクエアクラフトのロゴマーク。
スクエア(四角)なものに
スコヤ(square)で線を引く様子を
モチーフにデザインしました。



スコヤは、英語で「SQUARE」と書く。
材料の基準面に対し、直角の線を引く。
この線を基準に、切ったり、ホゾ加工をしたり。
木工には欠かせない工具です。



加工した材料の直角を確認することもできます。
これも、木材加工の基本中の基本。
ここを怠れば、後の工程はうまくいきません。

                                       
   ■ 2 スクエア クラフト ファクトリーが考える「クラフトとは?」           


ふと。
『クラフトって、なんだろう』と。
思うこと、しばしばあります。

いまの時点では、こう考えています。

スクエアクラフト川原カズキにとって。
クラフトとは。

単なる、用をなすための道具というだけでなく、
所有するよろこびも有している。

そして、それに見合った美しさがある。
それが、クラフト。


それに加えて、スクエアクラフトでは、
「使うよろこび」を提唱します。

「用の美」という言葉があります。
「民芸運動」を提唱した
柳宗悦(1889-1961)が遺した言葉です。
その意味をシンプルに言い切るのは難しいのですが、
「用いられるものだから、そこに美しさが宿る」
と言いましょうか。

むかしは、作られた道具そのものが、
日々の生活を便利に、豊かにしました。
それも、飛躍的、画期的に。

それらの道具が作られ、手に入った時に思いを馳せれば…。
壺が漏らさず水を湛える
……その便利さは計り知れなかっただろう。

籐で編んだ背負い籠が……農作業をどれだけ楽にしたことか。
道具自体を使う、操作することが、
楽しくてしかたがなかったはず。

現代において、
そんな感覚をもたらしてくれるものは作れないか?


見て、手にとってみる。そして使う。
「生活が楽しくなりそう」という予感がしてくる。
そういうものを作りたい。

それが、既成概念を逸脱したものであっても、
純粋に「使うよろこび」を感じてもらいたい。

作り手・川原カズキの究極の目標です。





「民藝」という言葉そのものを生み出したのが、
柳宗悦、この人にほかならない。
宗悦が生涯をかけて蒐集した工芸品の数々は、
「日本民芸館」(東京都目黒区)
でみることができる。
長男はプロダクトデザイナーの故・柳宗理。


 
松本民芸館は、松本市の郊外、
閑静な場所にたたずむ、小さな博物館。
民芸運動のメンバーでもあった、
故・丸山太郎によって、昭和37年に開設された。
日本各地や、李朝、
そして西洋の家具、民具などが収蔵され、
常設展、企画展で見ることができる。
また、松本民芸家具の原点である
ウインザーチェアもある。
なんと100年、200年前のもの。
静かに座って、工芸の歴史に思いをはせてみたい。

 
 
                                       
   ■ 3 スクエアクラフトは、なぜ木でつくるの?           


「スクエア クラフト ファクトリー」は
木のクラフト工房、ですが。

じつは。
木で作ることに、こだわっていません。

もちろん、木をおもだった材料にして商品を作ります。

けれども、素材に制約はつけません。
必要に応じて、金属、樹脂、ガラスも使います。


そもそも、木という素材は、
有史以来、日本では有用で入手しやすい素材として、
いろんな道具、商品に用いられてきました。

しかし、近代以降、金属の加工技術が進化し、
プラスチックなどの樹脂が登場して、
多くのものは木から、それらの素材へと置き換えられました。


そして、20世紀の後半。そして現在にいたるまで、
その揺り戻しともいえる、木への回帰が起こっています。

その流れを、たくさんのクラフトマンが感じて、
木でものを作り、世に送り出しています。


たしかに「木で作りました」とアピールすれば、
商品の売れ行きに貢献してくれるでしょう。

しかし、木工家・クラフトマンは、
その “木の魅力” に頼りすぎたのではないか?
金属や樹脂ででできたものを、単に木に置き換えたとしても、
機能的にスポイルされていては、存在意義はあやうい。

「プラスチックのほうが機能的だよ」
「金属のほうが洗えるし、衛生的じゃない?」
極力そう言われないような商品を作りたいものです。


私にとって、木という素材は…。

自分なりに考えたプロダクトを形づくるためのマテリアル。
個人でものを作る、限られた数量でものを作るには、
加工の手段・方法と自由度から考えて、いちばん適した素材。

そういった位置づけです。

それに加えて、木とは。
スクエアクラフトの商品にとって、
プロダクトの意匠・デザインの一要素でもあります。

思うに、木を使ってものを作れば、
「木らしさ」を誇張せずとも、
意図的に「木らしさ」を抑制したとしても
木の存在感をそのプロダクトに表出させてしまう力がある。

だから「木で作りました」的なものづくりから、
一線を画したとしても。
スクエアクラフトの商品には木の質感に溢れているはずです。



ここまで、お読みいただき、ありがとうございます。


そんなコンセプトで製作される
スクエアクラフトファクトリーのプロダクト。

そのすべては、
川原カズキのデザインによって形づくられます。
そして、自社工房において、製作されています。

商品については、square productsをご覧ください。
工房については、factory informationをご覧ください。


当工房のプロダクトが、ささやかな驚きと幸せを与え、
日々の暮らしに、使うよろこびをもたらす道具として、
あなたのお役に立てたら幸いです。





天然素材である木への回帰が
おこっていることは言うまでもない。
でも「木である」というだけで、
ものづくりが完結するのだろうか?


 

木であるからこそできるフォルム、
デザインを追求したいと思っています。




アイディアをカタチにしてみる。
そして、少ないロットで製作する。
そんなとき、使う素材は?
「木がベスト」という結論に至りました。


お客様の好みにできるかぎり寄り添えるよう、
いろんな樹種で製作しています。
多彩な色も、木という素材の魅力です



「適材適所」という言葉があります。
木がすべて、なんでも木で……と、
決めつけることはないでしょう。
機能的に、デザイン的にプラスなら、
金属、樹脂、ガラスなど、
異種の素材と合わせる。
これからの木のクラフトには、
必要なコンセプトとなるはずです。
 
 
                                       
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